むすびさんインタビュー前編 | 温かさと無機質が共存する世界観

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今回は先日までスリースター京都にて個展「指さきのまだら」を開催されていた
むすびさんへインタビューしてきました。

本格的に活動開始したのは最近にもかかわらず、静かで、温かさと冷たさの両極が共存する世界を描き幅広い人気を得ているむすびさん。

その作風が生まれたきっかけや独特の雰囲気の理由について詳しくお話を伺いました。

プロフィール


むすび

1988年生まれ 京都在住。
京都嵯峨芸術大学短期大学部イラストレーションコース科卒業。
透明水彩、色鉛筆などで少年少女を描く。
自分の心に素直に寄り添って、必要なものだけを。
幾何学模様、形のないもの、余白の美しさが好き。
2016年から本格的に活動開始。
『鏡の中の少女性』最優秀賞受賞。

活動歴

<2015>
公募展「無限色展 灰」design festa gallery(東京)
<2016>
Aoi*inc 公募展「少年展」ギャラリーミント(京都)
ARTs*LABo公募展「制服幻象展」ART FORUM One’s自由が丘(東京)
企画展「鏡の中の少女性」アトリエ「空白」(大阪)
怪談ブックマルシェ(京都)
Aoi*inc公募展「花ことば展」北大路ギャラリー(京都)
「岡崎公園アートフェスティバル」みやこメッセ(京都)
初個展「solitary room」アトリエ「空白」(大阪)
<2017>
Createrminal 展示会「Be yourself.」AAAギャラリー(神奈川)
「ガールズアートコレクション」阪神百貨店本店(大阪)
「飛べない翼~現実と幻想をつなぐもの~」アトリエ「空白」(大阪)
個展「指さきのまだら」スリースター京都(京都)

その他、様々なアートイベントにも積極的に参加。

twitter ◆ https://twitter.com/musssbi
tumblr ◆ http://musssbi.tumblr.com/
instagram ◆ https://www.instagram.com/musssbi/

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−嵐山にある京都嵯峨芸術大学短期大学イラストレーションコース
とのことですが学生時代から水彩を使われてたんですか?

はい。水彩はもともと高校から使ってました。

−絵を描くのは昔から?

そうですね。
運動とか体動かすのは好きやけどあんまり上手じゃないし。
ちっちゃい頃から漠然と自分には絵しか持ってるものないと思ってました。
保育園の頃からずっと将来の夢は絵描きです。

−シンプルで独特な色遣いが特徴だと思うんですが昔の作風は?

昔はTHE水彩な作風で、ちゃんと滲みとかぼかしもやってて水彩紙も安いやつですが使ってました。
あとね、今と違って昔は森ガールだったんですけど、クラスの女の子たちもそういう子が多かったんですよ。

今考えたら周りに合わせてたのかなって。
自分にどういうものが合うのか、服もわからなかったし、それとおんなじで絵も血迷ってて。
何が自分なんかなって考えてました。

−作風が変わったきっかけは?

なんでかな。学校を卒業して、放り出された感があって。
そこから近くに住んでる友達もあんまりいなくなって、普通のところに就職した子とか周りで絵描いてる人も少なくなってきて「自分はどうしよう?」ってもう一回考え始めて。

でも自分がどういう感じでやっていったらいいのかわからないなりに、絵の部分では人のマネをしたくないというのは頑固に思ってました。
話変わるんですけど音楽。元々は全然聴かなくて。
自分の好きな音楽のジャンルすらわからなかったんですけど、仲良くしてた人たちが聴いてる音楽を聴いたりとかして、そこからこんな音楽あるんだって知ったり。
すると描いてる時に聞く音楽が変わっていったりとか。

こういう、絵以外のところで自分の好きなものをちゃんと確認していく過程の中で絵も変わっていきました。


(インタビューに答えながらもスラスラと線画を描いていくむすびさん)

−在学中は展示などされてましたか?

在学中は展示なんてしてなくて、オタク活動してましたね。(笑)

−初めて絵が売れたのはいつですか?

2015年12月に東京のデザフェスギャラリーで。
企画展に呼んでもらえて、はじめて今の自分の作風で展示して、おんなじ展示作家の方なんですけど、買っていただきました。
もう、「うわあ、、売れた、、」って感じでしたね。(笑)

−作家活動をしていこうと思った理由は?

大学にいる時って漠然とイラストレーターになりたいと思ってて。
絵描くしイラストレーターやろ、みたいな感じに思ってたんですけど。

依頼されて描くのすごい苦手で。
それが甘えなのかそうじゃないのかって自分の中ですごい「ウ~っ」て感じてて。
それまでに頼まれた仕事が自分の作風を求められてないことがほとんどだったんです。
依頼人の周りに絵が描ける人がいなくて、たまたま私と出会って「じゃあこれ描いてよ!何々みたいな感じで!」とか明らかに自分の作風を知らないで頼んできてはってて。
私もその人に自分の作風求められてないっていうの空気でわかるから、言われる前にすごい合わせちゃうんですよ。

だから自分の作風置いといて一般受けするようなのを自分で描いて、自分で勝手に苦しむ、みたいなのを繰り返しやってて…。
しかもそれを、こういうのやりましたってSNSに載せると、それを見て「私もやって欲しい」って言われちゃうんですよ。

この連鎖いい加減断ち切りたいと思ったのがきっかけかなあ。
向こうは好意で頼んできてくれてるから断りにくいし、気が弱いのもあってどうしよって思ってたんですけど、「このまま変わらなかったら自分の作風も固まらずに人に合わせたまま生きて死ぬんかな、
それは嫌やな」と思って。極端ですけど(笑)

自分の描きたい絵描いて死にたいなと。

描きたくないなって苦しんで描いたものを人が好きになってくれるより、自分が好きで描いたのを人が好きになってくれたら万々歳じゃないですか。

無名時代はそんなこと言ってんと仕事選ばずやれって意見もあるんやろうし、でも有名になってきたら自分の作風でお仕事がくるイラストレーターさんもいるし、いろんな画風で描くのが自分の作風な方もいるし、ひとくくりにイラストレーターがこうやとは言えないと思うんですけど。

自分の心に素直になったらイラストレーターというよりは作家の方なのかな?って。

肩書きにこだわらないし作家って自分で名乗ったりはしないですけど、いまの生き方はまあそういうことなのかなあという感じです。

自分的には地続きなのでいつから作家、とかいう意識はないです。

−むすびさんの描かれる人って中性的な子が多いなと思うんですけど何か理由は?

中性的、好きなんですよね。
自分自身が偏ったものになりたくなくて。曖昧もあまり良くないかもしれないけど、どっちにも取れるのが好きで。
絵の感想というか感じ方を強制しないのもそうですけど。あんまり女の子女の子した絵描かないですね。(笑)

−絵のこだわりとかは

目と口は納得するまで描き直します。ほんとに鉛筆の線一本とかですごい変わるから、その子の目や口が何かを訴えかけてくるまで描いては消し。
顔のパーツが少ないから余計そこに意識が集中するじゃないですか。みるときって。
ちょっと人形っぽい感じがいいなと思ってます。でも人らしさも残したい。
ある人に「温かい無機質」って言ってもらえたことがあって、あ、それだな描きたいの。ってしっくりきました。

−線は結構こだわりますか?

こだわります。私の絵って全然リアル寄りじゃないんで、ちょっと破綻してるとこはあるかもですけど説得力がない風には描きたくなくて。
グッときてほしいなってところは自分がグッとくるまで描きます。
画力が足りない分はまだまだ課題なんですが。。

−余白の取り方がいつもすごいバシッと決まって素敵ですが最初に決めてるんですか?

全体的なバランスは最初になんとなくありますけど、髪とか好きなようにさ~って塗るんであんまり決めてないです。
自分が気持ちいい感じで色を置いて、余白の扱いも気持ちいいように。
見る人の視線の流れも意識してます。見せたいものに目が行くように。
あくまでなんとなくですけど。

−いつも使われてる用紙はケント紙ですよね

そうですね。これは優しくなりすぎないように水彩紙じゃなくてケントにしてます。
乾いた後に絵の具のエッジが出てくるように。
水彩紙を使うと優しくなりすぎちゃうのが嫌で。(優しい絵を見るのは大好きです!)
絵を優しくしたい時としたくない時があって、優しくしたいときは自分の力でしたいって謎の負けず嫌いがあるんですよ。
紙のおかげで勝手に優しくなるのが嫌っていう…(笑)

水彩使い始めの頃は、マーメイド紙の粗めのとか使ったりしてて。
でもあんまりしっくりこなくて、塗りにくいなー何がいいんかなって色々試していくうちにどんどん使う紙の目が細かくなってきて、最終的にケント紙みたいなツルツルの紙にたどり着きました。
水彩紙とちがって絵の具が上に乗るんで滲みぼかしがほんとに出にくいんですけど、そのエッジのできる感じ、必要以上に美しくない感じが愛しくて好きです。色鉛筆も乗りやすいし。

(実際にむすびさんが使用されてるパレット)

−こだわり画材はケント紙と色鉛筆以外にありますか?

メーカーで絵具を選んだりってあんまりしてないです。
上から色鉛筆乗せたりするから絵の具単体の発色の良さとかもあんまり関係なくて。使いたい色使ってる感じです。

−筆とかは…

筆はコシがある筆が好きです。
性格が雑なんで扱いが面倒な動物の毛とかはちょっと難しいな…。(笑)
やっぱり筆こだわった方がいいんかなあって思って一旦買ってみたセーブル筆使ったりもするんですけど。
今よく使ってるのはタミヤのモデリングブラシ(面相筆小)です。

後編へ続く!

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